News

地獄の門を叩く男 (Lampião Nô Inferno)

昨年11月に、オリンピック大会をリオデジャネイロから東京へと引き継ぐ記念事業として日本で初演された『地獄の門を叩く男』(Lampião Nô Inferno)は、駐日ブラジル大使館と能楽研究家・梅若ソラヤの共同企画であり、日本とブラジル両国の文化と武術、テクノロジーの融合を通じてブラジル文化を日本の聴衆に紹介する。この現代劇は20世紀のコルデル文学の巨匠ジョゼ・パシェコの作品『ランピオンの地獄訪問(A Chegada de Lampião no Inferno)』を梅若が再解釈した舞台である。

日本とブラジルの文化交流に原点を置き、能楽とコルデル文学古典表現を融合させ、独特な豊かさを持つ舞台となった『地獄の門を叩く男』では、六百年の歴史を持つ能楽家系を担う能楽師の梅若猶彦がブラジル北東部の匪賊「カンガーソ」の極みとして名を挙げたランピオンを演じる。劇中では、ランピオンが地獄へ入ろうとしたところサタンに止められ、交わされる言葉がデジタル投影されるという演出や、ランピオンと地獄の門番との闘いは、カポエイラの使い手である森陽子と伝統的格闘技の名手であり全国選手権の優勝経験を持つ空手家の中町美希による演出もある。音楽面では、日本人ミュージシャンによって編成された打楽器演奏グループBarravento(バハヴェント)と、日本を拠点に活動するブラジル音楽ユニットVia Brasil(ヴィア・ブラジル)が共演して劇の伴奏を担当する。

『地獄の門を叩く男』のブラジル初公演後の翌日9月30日20時(ブラジル時間)、ジャパン・ハウス サンパウロは、初公演記念スペシャルプログラムの締めくくりとして、Zoomでトークイベントを開催する。共同ホストとして能楽の研究家・スペシャリストであるアンジェラ・マユミ・ナガイと、ジャパン・ハウス サンパウロ企画担当局長ナターシャ・バルザーギ・ジーネンが、演出家の梅若ソラヤとシテ方の能楽師梅若猶彦を迎える。梅若ソラヤは「この度は、コルデル文学のオリジナリティとユーモアと深遠さを能の様式を通してランピオンを表現する事を目指した能楽師である父との対話を皆さまと共有できることを楽しみにしています」と語る。(尚、このトークイベントは、日本語・ポルトガル語同時通訳を提供する。)

東京で大好評を得たこの舞台について梅若ソラヤは「今回の作品は、コルデル文学の美しさ——とりわけランピオンの地獄訪問の物語——を、能楽の視点から伝える手段として創作しました。」と続け、さらに、「演劇経験を共有する方法に革新性が求められる今日、ジャパン・ハウス サンパウロと連携してブラジルの皆さまに『地獄の門を叩く男』の初演をバーチャルでお見せ出来てとても嬉しく思います」と語る。

エドゥアルド・サボイア駐日ブラジル大使は、この取り組みは芸術と文化の力を導いて両国関係をいっそう強化するとし、「大使館とジャパン・ハウス サンパウロとの協力関係により、日本の皆さまがコルデル文学やブラジルの視覚・音楽・舞踏表現を知ることができたように、ブラジルの人々も能楽に触れることができます。この協力関係によって、文化交流の円環が閉じます。ブラジルと日本を包む円環のように、この交流は止まることがありません。両国の社会を結びつける人と人の絆のように、つねに私たちを結びつけます。在日ブラジル人コミュニティ30周年の節目の年にこのパートナーシップが実現したことは象徴的です。」と語る。

さらにこのパートナーシップについて、ジャパン・ハウス サンパウロ企画担当局長ナターシャ・バルザーギ・ジーネンは、「ブラジルと日本の人々との強い絆を非常に良く象徴する作品である『地獄の門を叩く男』のブラジル特別公演を主催することができて、非常に光栄で喜ばしく思っています。コルデル文学と能楽が持つ要素の調和の力は非常に強く、他民族同士、異文化同士を近づける対話の手段として芸術が持つ重要な役割を明らかにする取り組みです」と述べた。2018年、ジャパン・ハウス サンパウロが企画・実施した『DŌ (道) ― 徳の極みへ』展は、駐日ブラジル大使館でも開催され、そのパートナーシップから、今回の『地獄の門を叩く男』も実現に至った。「大使館とのこの新しいパートナーシップは、日本を発信していくプラットフォームとしての活動を後押しし、同様に、文化を豊かにするための交流の意義をより強くします。」とナターシャ企画局長は締めくくった。

日本では、『地獄の門を叩く男』は一般財団法人日伯経済文化協会(ANBEC)との協力とパナソニック株式会社の支援で、駐日ブラジル連邦共和国大使館によって制作および企画運営された。
 

プレミア舞台公演: 地獄の門を叩く男 (Lampião Nô Inferno)
日時: 9月29日20時〜20時40分 (ブラジル時間)
場所: ジャパン・ハウス サンパウロYouTubeチャンネル

ライブ 地獄の門を叩く男 (Lampião Nô Inferno) 出演:梅若ソラヤ、梅若猶彦、アンジェラ・マユミ・ナガイ、ナターシャ・バルザージ・ジェーネン
日時:
9月30日20時~21時 (ブラジル時間)
場所: http://bit.ly/live_hellsaysnoh

トップへ戻る