展示

『シンビオシス : 生きられた島』展

アートや環境、住民との交流を通して地域復興を目指す日本の犬島でのプロジェクトを紹介

会期

2021.11.30―2022.02.06

火曜日~金曜日

10時~18時

土曜日

9時~19時

日曜日・祝日

9時~18時

入館料

無料

オンライン予約(オプショナル)

https://agendamento.japanhousesp.com.br/agendamento

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生きられた島

 

高齢者が過半数の住民約30戸から構成される、瀬戸内海に位置する面積0.54km²の「犬島」。銅製錬所の遺構がある小さな島で、アートと環境が一体化し、そこに人々の交わりが生まれいく日本的な「共生の美学」を紹介する展覧会を、ジャパン・ハウス サンパウロにて2021年11月30日から2022年2月6日まで開催します(2F/入館無料)。

Exposição “Simbiose: a ilha que resiste”, no 2º andar da JHSP.

『シンビオシス : 生きられた島』展は、金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子氏をアーティスティックディレクターに迎え、2010年プリツカー賞受賞をしたSANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)設立者の一人でもある妹島和世氏が展示デザインを手がけています。20世紀半ばまで多くの産業を惹きつけ隆盛をきわめた採石場として有名な犬島のジオラマ模型をベースに、犬島で展開されているプロジェクトをご紹介します。また本展は、ジャパン・ハウスの巡回企画展として、本館での展示後にはロンドン及びロサンゼルスの拠点での開催も予定しています。

Espaço expositivo de piso de madeira com adesivos brancos em formato orgânico e paredes brancas. Exposição “Simbiose: a ilha que resiste”, no 2º andar da JHSP.

犬島文化の活性化

犬島の地域産業の衰退や人口減少により取り残された古民家と共生する島内のアート作品や、建築物が立ち並ぶ景色は、まるで野外美術館のようです。2008年から始まった犬島「家プロジェクト」は公益財団法人 福武財団と共に、自然と地域社会の調和を考慮し、緩やかに小規模な介入を重ねながら地方の活性化を図る試みです。プロジェクトのテーマは「桃源郷」。桃源郷は日常の延⻑にありながら、隔離された豊かな場所であり、そこに住む人々と物語を交換する場所でもあります。

犬島「家プロジェクト」に先立ち、犬島では三分一博志氏の設計による犬島精錬所美術館が開館し、注目を集めてきました。2019年にジャパン・ハウス サンパウロでは、三分一氏をブラジルでのセミナーにご招待し、この犬島精錬所美術館のプロジェクトについて語っていただきました。

ジャパン・ハウス サンパウロ企画局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは「犬島の住民は、盛んだった主産業の衰退、それに伴う経済的な後退、少子高齢化や人口減少といった様々な局面と対峙しています。このプロジェクトは生産性を追求する建築とは全く違う考え方で試験的な試みを実施しており、建築とアートを介した新しい地域との関わり方や在り方を提案しています。このプロジェクトは長谷川氏と妹島氏が島の人々を巻き込みながら取り組む、素晴らしい活動です」と語っています。

Espaço expositivo de piso de madeira e paredes brancas. Exposição “Simbiose: a ilha que resiste”, no 2º andar da JHSP.

犬島で育まれる相互扶助

『シンビオシス(共生)』と題された本展は、過去と現在、自然と人間の営み、住民と来訪者といった相対するものが犬島という独特な地域で育む相互扶助を指しています。建築家の妹島氏は「このプロジェクトは犬島の風景や歴史を尊重しつつ、少しずつ環境を変えているレクリエーションプロセスです」と語っています。2019年には三分一氏と同様に、妹島氏にもセミナーにご登壇いただきました。

犬島「家プロジェクト」F邸には、2017年にジャパン・ハウス サンパウロで個展を開催した世界的アーティストである名和晃平氏の作品「Biota(Fauna/Flora)」が展示されています。他にも、犬島の西側に位置する港近くのガラスハウスを再生し、野外カフェを併設した「犬島 くらしの植物園」では、素晴らしい景色を堪能できるだけではなく、ワークショップ等を通じて植物との共生を学ぶことができます。また、アートインレジデンスでは、アーティストが島の日常を体験し、作品制作に取り組める場を提供しています。

Obra de metal prata, com aspecto espelhado, pendendo do teto.

「島の歴史を活かし、調和の取れた近代的なリノベーションを住民の人々と共に実施しているこのプロジェクトは、日本の地域活性化の重要なモデルとして、ブラジルにもインスピレーションを与えることでしょう。ブラジルでの成功例としては、ミナスジェライス州ブルマジーニョ市のイニョチン美術館やペルナンブーコ州アグア・プレタ市のアートファクトリーが挙げられます」とバルザギ・ジーネンは語ります。『シンビオシス : 生きられた島』展では音声ガイド、手話ガイド、点字等のアクセシビリティツールもご用意しています。

犬島「家プロジェクト」に関しては、こちらのサイトもご参照ください。https://benesse-artsite.jp/art/inujima-arthouse.html

案内

『シンビオシス : 生きられた島』展

期間:2021年11月30日から2022年2月6日
場所: ジャパン・ハウス サンパウロ(2階)
入場無料
本展でもアクセシビリティ対応をしています。

オンライン予約(オプショナル): https://agendamento.japanhousesp.com.br/ 

ジャパン・ハウス サンパウロ
住所:
 Avenida Paulista, 52 – Bela Vista, São Paulo

開館時間:
火曜日~金曜日 10時~18時*
土曜日 9時~19時*
日曜日・祝日 9時~18時*

*開館日時はサンパウロ州政府の新型コロナウィルス感染抑制対策ガイドラインにより変更になることがございますのでご了承下さい。

**新型コロナウイルスの影響により、定員数を制限して開催しています。
詳細は こちらから

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